"夏涼しく冬暖かい"そんな住まいの基本は気密と断熱にあります。
自然の風や光、熱を取り込み、それらを最大限に活かすには、まずは断熱・気密がしっかりできていることが重要であり、「気密」と「断熱」は一体です。気密と断熱を高めることは、暖冷房による消費エネルギーの削減となり、環境にも家計にも優しいお家をつくるということです。
一棟一棟の断熱性能を緻密に計算し、気密測定で目標とする数値が出るまで丁寧にすき間を塞ぐ。
何もせずにお引き渡すことと比べると非常に手間がかかることです。
ですが、大切なお客様に長くその家を使って頂くため、またお客様が健康的そして経済的に過ごしていただくために絶対に譲れないポイントです。
高気密・高断熱住宅とは、壁・床・天井などに断熱材を使って高い断熱性・気密性を実現した住まいのことです。「断熱」とは断熱材を壁などに充填する、または外側から覆うことで家の中と外の環境を分け、熱が伝わるのを少なくすることであり、「気密」とは、家の隙間をできるだけ無くすことで、家の中と外の空気の交わりを断ち切ることを意味します。
また断熱性能は私たちのすすめる自由で高い設計力の助けになります。
家全体が魔法瓶の中のようになり、開放的な吹抜けを始めとした自由度の高い設計の前提条件になるのが高断熱性能の確保が不可欠です。
気密性・断熱性ともに数値で表すことができます。この2つの数値がポイントです。

■気密性能を表す数値
C値 [ cm²/m² ](相当隙間面積)
住宅に隙間がどれくらいあるかを示す数値で実際の建物で計測します。
床面積1m²あたりの隙間面積でしめされ、数値が小さいほど気密性能が優れていることを表します。
断熱性能は机上の計算で算出できますが高気密性能は実際の建物で気密測定試験をしなければなりません。
目標数値が出るまで建物のわずかな隙間を探し、塞ぎながら検査をします。
非常に手間のかかる検査ですから、重要な検査であるにも関わらず実施しない住宅会社も少なくありません。
■断熱性能を表す数値
UA値 [ W/m²K ](外皮平均熱貫流率)
家全体(屋根・外壁・床・窓・基礎)から熱がどれだけ逃げていくかを表した数値。
数値が小さいほど、断熱性能が優れていることを指します。
熱の出入りが大きい窓や、外壁や屋根の断熱材の選択が断熱性能を高めるポイントです。
松崎建設では、断熱性の高い樹脂製の窓や、熱伝導率が優れた断熱材を採用しています。
松崎建設は気密性・断熱性にこだわり、2020年に義務化される省エネ基準を大きく上回る性能の住宅を提案しています。

■冬場のヒートショック・夏場の熱中症の予防
冬場、暖房をかけた居間から廊下に出て、あまりの寒さに身震いしたという経験を持つ方は多いでしょう。この極端な温度差は「ヒートショック」と呼ばれ、お年寄りや体調を崩している人の命を脅かす危険があります。事実入浴中の急死の理由のほとんどが「お風呂場と脱衣室」の温度差が原因とされています。
入浴中にヒートショックにより溺死する人は年間で1万4000人*1に上ります。これは日本全国の交通事故死亡者4,113人*2の実に3.4倍に上ります。
*1)H23.11.20日本経済新聞 *2)H27.1.5警察庁交通局交通企画課
一方、夏場には熱中症のリスクが住まいの中でも生じます。エアコンを使わない室内は、時には屋外以上の気温となることも。熱中症の発生場所が自宅というケースは非常に高く、65才以上の男性では5割、女性では7割を超えています。
■結露の予防
人の体からの発散や家事・入浴などで一日に発生する水蒸気は、4人家族の住まいで約9リットルと言われています。空気中に含まれているこの水蒸気が、冷たい窓や壁で冷やされて水に戻るのが結露です。結露するところは湿度も高く、カビが生えやすくなっています。カビが増えると、それを栄養源にしているダニが繁殖するという悪循環を起こします。
目には見えないため気づきにくいものの、こうした場所ではカビの胞子やその代謝物、ダニの死がいや糞などが空中で多く漂うことに。これらが鼻や口から吸い込まれて、咳や喘息、鼻炎、アトピー性皮膚炎、じんましんなどの原因となります。
また目に見えるところだけでなく、壁の中でも同じく結露が発生しています。この現象を『壁体内結露』といいます。断熱材の中や木材に水分が溜まり、カビや腐朽菌が発生して、木材を腐食させ、耐久力を奪います。体の健康にもお家の健康にも悪影響を及ぼす結露を防ぐことはとても重要なことです。
高気密・高断熱でつくるお家は、住む人の健康を支え、木材の乾燥を維持させることで建物の耐久性も高めます。次世代に引き継ぐことの出来る、長寿命のお住まいは環境にも配慮した優しい住宅です。